東日本大震災・原発事故俳句

東日本大震災・福島原発事故を詠む     作 山藤 修

春の来て瓦礫の山よ不明者よ

大津波根こそぎ奪い寒戻る

三陸の春漆黒の闇となり

冴(さえ)返る津波の惨状船陸に


3・11 鈍色(にびいろ)の海陸(おか)を呑み

春の波なれど津波の人を呑む

春の夢か玩具のごとく流さるる

春の雪不明者探しへ容赦なく

震災へ黙祷捧げ春の句座

放射能恐れ避難の入(いり)彼岸

地震(ない)の地の暮らしの厳し余寒なほ

春寒や孤立集落置き去りに

(避難所の小学校)
トイレ水バケツリレーよ春の昼

(道路切断、ガソリン不足)
東風(こち)吹けど物は運べず今日も暮る

春の雨事故放射能まきちらす

春の水とは異なもの冷却水

暖とらず徹夜の車列給油待つ

朴訥(ぼくとつ)な救護の求め春遠し

春の日の屋内避難援護なく

春の菜の出荷停止に怒り抑え

原発の町春風の素通りす

セーターを遺体へかけて土葬する

(死亡した子に代わり)
震災禍卒業証書父が受く

春光や勇敢に守(も)る人の居て

暖かや善意と我慢国中に

助け合う姿に望み花よ咲け

ものの芽やみちのくに復旧の音

三月の地震に恨む相手なく

津波受け折れし桜に蕾かな

ひこばえや被災の人の強くあれ

咎(とが)もなく避難強いられ悲し春

原発や四月どうなる息潜め

鳥帰る原発事故のなき国へ

山笑ふ時の待たるる被災の地


震災の募金も共に甘茶仏
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(震災1ヵ月)
余寒なほ不明者いずこさ迷ふや

(奈良県吉野山)
法螺(ほら)吹きて寄金を募る花吉野
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春泥(しゅんでい)のなか黙黙とボランティア

浜岡を停める決断風薫る

夏の漁(りょう)網にかかりし暮らしの具

(5月15日計画避難始まる)
故郷を捨てさせられて五月(さつき)闇

夏草や牛と別れの顔ゆがむ

梅雨寒(つゆざむ)や先の読めない世を生きる

今もなお遺体捜索梅雨さなか

黴(かび)大事津浪の樽に残りをり

盆の空へ死者の数だけゴム風船

きのこ汁仙臺味噌をふと求む

(句の追加及び修正 平成24年6月25日現在 )

この記事へのコメント

弟より
2011年03月22日 20:18
共感する句沢山ありました。セーターをかける句は、泣けました。日本の本性・底力を試されているように感じます。感張りましょう。

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