青森県の旅:神秘の池・十二湖

 平成25年7月22日、神秘の池・十二湖を訪れた。ここは広大なブナ原生林として世界自然遺産に登録されている「白神山地」の麓にあたり、その白神岳への登山口の一つともなっている。

 この日、秋田からの「リゾートしらかみ5号」に乗車して五能線十二湖駅に16:03降り立ち、駅前の国道101号線沿いのバス停で十二湖行きの路線バスを待った。折よく16:15発のバスに乗り、16:30終点の奥十二湖駐車場に着いた。空は今にも降り出しそうな曇天でしかも夕刻に近く、乗客は私ひとりで心細さを覚える。それでも旅の日程を考えると、今日少しでも見ておきたいのだ。
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         国道101号線横のJR十二湖駅  土産品も置いてある

 旅の案内書では十二湖駅から徒歩も可能とあるが、実感としては高度差と効率性を考えるとバスか乗用車の利用が好ましい。
 バスは「リゾートしらかみ」への接続が考慮されているが1日5便しかない。しかも10月1日からは4便に、11月5日からは3便に減る。秋は夕刻からのバス利用はできない。
 バスはすぐ国道からそれ、九十九折の山道をうなりを挙げて登る。右に左に小さな池がいくつも見えてくる。終点のバス停前の土産物屋「森の物産館キョロロ」は店じまいを始めようとしている。
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        バス終点にある森の物産館キョロロ

青池
「キョロロ」で貰った十二湖散策マップを頼りに道路のすぐ下の遊歩道に入ると、左に大きな池が見え池沿いに遊歩道が続く。この池は鶏頭場の池と言って面積41,150㎡、深度22mの深緑を湛えた人の手つかずの池である。池沿いに約500mも進むと鶏頭場の池は切れ、右手やや上方に「青池」が見えてくる。五能線のリゾート列車の愛称ともなっている、十二湖を代表する池である。
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          青池展望所への上り口

 池はほぼ円形で意外と小さく、面積975㎡、深度9mであるが、これまで見たことの無いような真っ青な水を湛え、まことに神秘的な表情である。池の底には何本もの朽ちた木が透けて見え、表面には朽ちかけた小さな黄葉が無数に浮かんでいる。周囲も深い緑にくるまれほとんど日も射さないらしく池を取り巻く木々の幹には苔が取り付いている。お世辞にもきれいな池とは言えないが、手つかずの自然のままが好ましく水面の神秘なコバルトブルーが魅了してやまない。
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            コバルトブルーの青池

 ところで、景勝地十二湖と称しながら実態は池の広さしかないので、誰が名付けたのかややこしい話である。300年前の大地震によってせき止められて池となったものであり、実際は33の池があるのだが、崩山という所から眺めて12数えられるところからこの名があるという。
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              鶏頭場の池
アオーネ白神十二湖
 青池と鶏頭場の池で夢中でシャッターを切っていると、もう最終バスの発車時刻が迫っている。後は明日訪れることにして18:10発のバスに乗車、十二湖駅前を経由して今夜の宿泊地、アオーネ白神十二湖に18:30着く。
 十二湖に最も近い宿泊施設はここだけらしく、観光地図には十二湖リフレッシュ村というのもあるがこちらはキャンプ場と昼の食事だけの施設らしく、定期バスの途中のバス停から1.5km位歩くほかないようである。

 事前に電話(0173-77-3311)で宿泊予約を申し込むと本施設と海彦山彦館があるがどちらになさいますかと問われ、料金の安い後者を予約する。バスを降りた所から少し離れているらしく宿の車が迎えに来てくれる。着いた場所は落ち着いた2階建てで今夜の宿泊者は私ひとり、部屋は洋室のツインである。私だけのために何人の人がかかわっているのだろうと思うと申し訳なく思う。だだ広い食堂でぽつねんと食事を執る。夕食のお品書きには13品が記され、料理長の名でなく「白神地産地消の会」と銘記してある。どういう運営なのだろう。いずれも山海の珍味であり、なかでも大きなメバルの煮つけは十分満足させてくれる。翌朝の支払いは11,025円であった。
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              白神海彦山彦館
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            居室からは日本海も眺められる

白神山地
 十二湖は白神山地の一部でもあり、ここで白神山地の概説をしておく必要もあろう。
 白神山地は秋田、青森の両県にまたがる1300㎢にわたる標高900~1200mの山々から成る広大な山地である。世界一広いブナの原生林であることで知られ、天然記念物であるクマゲラという鳥の生息地であることも確認されている(クマゲラは五能線のリゾート列車の愛称の一つともなっている)。1993年世界自然遺産に指定されているが、その登録区域は青森側126.27㎢、秋田側43.44㎢とブナ原生林の中核部に過ぎない。中核部にはほとんど足を踏み入れることはできないようだが、そのアクセスルートも散在していて中心がないのが特徴である。

 秋田県側にも白神探勝施設はあろうが、青森県側も幾つにも分散している。白神山地で2番目に高い白神岳(標高1232m)への登山は五能線の白神登山口駅からが最も近い。それでも片道5時間はかかろう。また、十二湖のバス終点から難路ではあるが白神岳登山は可能である。なお、最高峰の白神向岳(1243m)は登山路もなく行くことができない。
 さらに白神山地ビジターセンターが西目屋村にあるが、こちらは弘前市を経由しないと行けないようである。

平成25年7月23日(火) 小雨→くもり
 5時40分目覚めるが外は霧が流れ小雨模様である。海彦山彦館の朝食は、昨夜の豪華さはないがやはり13品も付いている。コーヒーサービスもある。宿の車でバス停まで送ってもらい、ここから「アオーネ白神十二湖」の宿泊者と相乗りの宿の無料バス(8:30発)で十二湖の定期バス終点まで送ってもらう。
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           十二湖へ向かう宿の無料バス

 さっそく雨具を付け、がま池を見る。広さ200㎡深さ2mの何の変哲もないただの池である。次いで道路より少し上がった沸壺(わきつぼ)の池に向かう。ここは青池よりやや小さい、面積575㎡、深さ3.1mの池であるがうっそうとした木々に囲まれ、神秘なコバルトブルーの水面を浮かべ、水底には朽ちた木々を横たえ、青池とよく似た趣である。再びバス道路まで戻り、側の落口の池を眺める。ここは面積27200㎡、深さ20mで、昨日の鶏頭場の池とよく似たたたずまいである。雨の制約で思うように写真も撮れないまま帰りのバスの時間が迫り、ここで十二湖の探勝を断念する。
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               沸壺の池
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               池のほとりのブナの木

 バス道路を500m下り、十二湖ビジターセンターに入り、バスの待ち時間を利用して十二湖の自然を紹介した展示物を少し見学する。9:53にビジターセンター前のバス停から定期バスに乗り、十二湖駅発10:23の白神1号(愛称:ぶな)に乗車、五能線鶴田駅に向かう。
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             十二湖ビジターセンター

十二湖探勝
 十二湖の探勝は、まずバス終点まで行き、ゆるゆる下りながら見物するのが良い。一番高いところにあるのが青池で標高は250mぐらい、そこから標高150m位までのバス道路沿いの左右に12の池が散在している感じと思えばよい。その間にバス停、トイレ、駐車場も各4か所あり、上記のビジターセンターや茶屋、食事場所もあるように散策マップに書いてある。私は行けなかったが王池、日暮の池、八景の池は周囲を巡ることもできるようである。
 また、バス終点の森の物産館キョロロを起終点とした1時間、3時間のウオーキングコースも設けられ、青池やぶな自然林の中を巡ることもできる。
 わずかな滞在時間と悪天候で、白神山地の大自然を満喫できなかったが、それでも目玉の青池と沸壺の池を見ることができたので良しとしよう。  


 

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