高知県梼原町の旅 1:過疎を生かして先進地を目指す町

 高知県梼原(ゆすはら)町への旅は、平成26年4月13日春雨の降りそぼる須崎駅頭より始まった。高知からの土讃線特急「あしずり5号」を降り、梼原行きのバスを駅前で待ち、15:01発に乗車する。梼原まで所要1時間13分、料金は1790円である。公共交通機関で梼原に行くには高知高陵交通のこのバス便しか無いようである。1日5便でうち3便は高知市発で、一般国道を経由して須崎駅前を経て梼原まで通じている。
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            JR須崎駅前通り
 バスは須崎市から津野町を経由する国道197号線を山あいを縫うように走る。須崎の市街地を出ると一停留所毎と言ってよいぐらいに、運賃表が変わったと毎度ご丁寧にアナウンスする。耳に付くとなぜこんなアナウンスが必要だろうと耳に障る。

 さて、梼原町はどんな町か。観光パンフレットには「雲の上の街、ゆすはら」そして「坂本竜馬脱藩の郷&環境モデル都市」とも謳っている。四万十川の源流域にもあたり、愛媛県と県境を接する標高1400m台の四国山地を抱えている。歴史豊かな山紫水明の地と言ってよいのだろう。ちなみに人口は3700余人、面積237平方キロである。
 
 私が梼原への旅を思い立ったのは、日本経済新聞夕刊に平成26・1・4~3・22の間、12回にわたり連載された「四国の山のエコタウン・梼原町に住んでみる」という記事に触発されたからである。そこにどう書かれているか箇条書きにあげてみれば梼原の現在が浮かび上がるだろう。以下は岩田三代記者の1ヵ月間にわたる滞在記の見出しと記事の要約である。(写真は筆者撮影)

① 自然エネルギー活用の先駆者となろうとしている町
 町営の600kwの風車を2基設置している。小水力発電を開始している。地熱を利用した温水プールを設置している。間伐材をペレットにして冷暖房に利用している。太陽光発電設置率が6.5%である。自然エネルギーが町の総電力使用量の28.5%(2013年)である。
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        町の中心部に立つ風力発電塔(実用かミニチュアか不明)
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             街角に置かれた携帯太陽光発電器

② 木造建築あふれる町 
 梼原川には木をふんだんに利用した三つの橋が架かっている。建築家・隈研吾氏が手掛けた四つの木造公共建築物(町役場・「雲の上ホテル」・「雲の上ギャラリー」・町の物産販売所とビジネスホテルを兼ねた「まちの駅・ゆすはら」)があり、すべて省エネ構造で屋根には太陽光パネルを設置している。ほかにも2棟の体験型木造モデル住宅を建築し、断熱材とペアガラスを使用し、太陽光発電と温水パネル・ペレット暖房となっている(しかし、コスト高で普及に至っていない)。
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              梼原町役場
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            まちの駅・ゆすはら

③ 心癒すセラピーロードがある
 セラピーは治療・療法という意味らしいが、癒しの道あるいは森林浴程度に解すればよいだろう。町内に二つあるが、そのうちの一つを歩いたので後に触れたい。

④ 農家民宿のんびり滞在
 梼原には農家民宿が5軒あり、地元の食材を提供しており、リピーターや外国人客も多いという。
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          町内あちこちで見かける蜂蜜採集箱(ミツバチ飼育箱)

⑤ 森を生かす国際認証
 町の森林組合は、林業活性化のため地球環境に配慮した管理をしている森林に与えられるFSC(森林管理協議会)の国際認証を国内団体として初めて得て、環境にやさしい林業経営を推進している。木材に加工できない端材を燃料として活用するため、町と森林組合と企業が協同してペレット会社を設立、年間1700トンのペレットを生産、活用している。

⑥ オランダ人の紙漉き作家
 梼原はもともと和紙の原料であるコウゾ、ミツマタの生産地であったが衰退していた。そこへ和紙に興味を持ったオランダ人・ロギールさんがやってきて、この町の高地に住みつき日本人妻と共に、原料の生産から紙漉き工房と農家民宿を開いている。和紙の作品はまちの駅・ゆすはらでも販売している。
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          太郎川公園で見つけたショウジョウバカマ

この記事へのコメント

偶然
2015年07月10日 21:50
みつばち箱あるなんて🆒

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