阿蘇の旅 (2):地獄温泉

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 平成26年12月5日
 南阿蘇村地獄温泉へ行くには少し手前の垂玉温泉と共通の乗り合いタクシーが出ており、送迎を電話で予約した客に限り朝に温泉から下田城駅まで2便、夕に下田城駅から両温泉まで2便定時運行している。料金は400円、所要15分である。15:15発の夕方第1便でもう一人のお客さんと相乗りで地獄温泉に向かう。タクシーは急坂を上り、標高750mの1軒宿、清風荘に着く。標高ではすぐ下の垂玉温泉も1軒宿で山口旅館と云い、滝を眺めながら湯に浸かれるのがウリらしい。

 南阿蘇の数ある温泉の中でなぜ地獄温泉を選んだかは、温泉博士で有名な松田忠徳氏(札幌国際大教授)が選ぶ日本百名湯に隣の垂玉温泉と共に入っており、江戸時代から続く古い湯治場と知ったからである。また、「地獄」という名前にも興味を惹かれたからである。江戸時代は細川藩の指定湯だったという。

 旅館に着くと控えの間なしの4.5畳の部屋に通され炬燵が入っている。実は電話予約の際、部屋の大きさ、料理の内容によって値段が違うと知らされ、一番小さい4..5畳は朝食付き6千円、夕食は最低の2千円でよいと了解しているからである。これに消費税と入湯税150円が加わる。別に自炊宿泊も可能で湯治場の名残も捨てきれない料金システムである。
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            通された4.5畳の部屋

 地獄温泉の源泉は3か所あり36度から67度のお湯をブレンドして本館内の元湯と外湯となる3か所の源泉露天風呂に分配している。泉質は単純酸性硫黄泉という。
 食事の前に本館内の元湯に浸かる。元湯は脱衣室は畳敷き、浴室の壁は板張り、天井は太い梁むき出しでいかにも湯治場らしい雰囲気だ。浴室のガラス窓の壁際には高さ2m余もある梅の枝らしきものがざっくりと束ねられお湯につけてある。早咲きさせようとする試みと思うが、まだわずかに蕾らしきものが見られるだけである。
 なお、洗い場やシャワーがあるのはこの元湯だけである。

 食事は本館と渡り廊下でつながる曲水庵でする。ここも梁むき出し、土間の田舎造りである。食事は履き物を脱いで堀炬燵式のテーブルについてする。テーブルの中央には直径40cm位の囲炉裏があり炭火がかっかと燃えている。一番安い2千円の夕食は田楽焼きで、ヤマメ、ピーマン、こんにゃく、とーふ、里芋、なす、しいたけ、玉ねぎ、ネギ、トウモロコシが串刺しにして準備されている。串焼きはヤマメだけが動物性たんぱくで、他にはマスの刺身、こんにゃく煮、きのこ飯、のっぺい汁、デザートが付いてくる。胃袋の小さい老年はこれで充分とやせ我慢していただく。
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               食事場所の土間
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               食事場所のテーブル配置
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               田楽焼きのテーブル

 食事の後は本館から50m位離れた「すずめの湯」という露天風呂に向かう。なぜ、すずめの湯というのかわからない。ついでながら、地獄温泉の名の由来を従業員に尋ねたところ、源泉の硫黄分を交えた湯が岩の間からぶつぶつと煮えたぎったさまが地獄を想像させたからという。
 すずめの湯は正確には露天ではなく、野趣のある太い柱、太い梁で屋根が架けられている。浴槽は太い角材で八つに仕切られ少しづつ温度も違う。白濁したわずかに硫黄臭のする湯が足もとから自噴しているのに驚く。浴槽の底はタイル張りではなく、自然石が置いてあるだけなのでフラットでなく、その石の間から湯が自噴しているのだ。思いもかけなかった露天風呂との出会いに、ちょっぴり贅沢気分となる。充分に温まり、寒夜の中をを部屋に帰る。
 なお、混浴とはいうものの小屋掛けの男女別の脱衣所、内湯もあるし、露天風呂も20:30~21:30は女性専用となっている。
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              すずめの湯の入口(翌朝写す)

 12月6日、一夜明ければ外はうっすらと雪景色である。起床時、雪は降っていないもののあまりの寒さに、ほかの露天風呂へ行くのはあきらめ、本館の元湯にもう一度浸かる。  
 朝食は昨夜と同じ曲水庵であるが、今朝はバイキングで、パン食もある。従業員が目配りしながら、ご飯、味噌汁、お茶、コーヒーなどは給仕してくれる。シシャモ、目玉焼き、ウィンナは炭火で焼き、みそ汁も炭火の上で温めて雪景色を眺めながらゆっくりいただく。
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                  雪景色の地獄温泉玄関口
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                  食事場所 曲水庵の全景

 9:45発の乗り合いタクシーに相客3人と共に乗車、運転手と交渉して下田城温泉駅でなく、JR立野駅まで運んでもらい一人当たり800円の料金を支払う。ここから10:28発の熊本経由人吉行きの九州横断特急にに乗車、帰宅の途に就く。

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