北海道ひとり旅:礼文島トレッキング (2)

平成23年6月27日 (月) 晴れ
 5時に起床して宿の前の海岸から明けやらぬ利尻富士を撮るが、山と空のコントラストがはっきりしない。
朝食を終えた頃、宿の前の船着き場にウニ漁を終えた舟が戻ってくる。宿の主人も水揚げの手伝いに飛び出す。私達も採れたての生ウニを1個づつ御馳走になる。殻のトゲが痛くて漁師さんにむいてもらい食べるが、1個では舌頭千転して賞味するにはあまりにあっけない。とろけるような感触がしたと思ったらそれでおしまいとなる。
画像

        水揚げされた沢山のウニ

 7:45宿を出てバス通りを知床郵便局の前からそれてトレッキング道に入る。途中、ウニの殻むきをしている小屋を見つけ写真を撮らせてもらう。
 家はすぐ途切れ、笹原の緩やかな坂道に入る。低い笹の下では高山植物がちらちら咲いている。野イチゴも風に震えながら健気に花をつけている。海抜百メートルもないのに緯度が高いので、信州なら二千メートル級以上の山でしか見られない高山植物があるわけだ。一緒に宿を出発した昨日の女性は、写真を撮っているうちにとっくに姿が見えなくなる。
画像

        ウニの殻むき作業場
画像

        知床集落と利尻富士

お花畑
 のろい足取りで50分も歩くと何の標札もないが左に分岐して海側に向かう細い道に出会う。両側にロープが張ってあり辛うじて人の踏み跡がついている。これが昨夜宿の主人が教えてくれた、トレッキング地図にも載っていないお花畑への道らしい。10分足らず歩くと崖の上に出て眼下は海、周囲はお花畑だ。ミヤマキンポウゲ、レブンキンバイソウなど黄色系の花が多いが、紫系のチシマフウロも所々咲いている。宿の主人は崖の周囲を海鳥が群舞してそれも見どころと言っていたが、今日は数羽いるだけだ。
画像

         ミヤマキンポウゲ
画像

         海も間近なお花畑

 再びトレッキング道に戻り、まだまだ坂道を上り10分程度で元地灯台取り付きに着く。灯台へは寄らずさらに上るとようやくアップダウンの続く尾根道に出る。周囲は一木とてない草原に高山植物が咲き誇り、眼下は波が岩を噛んでいる至福の光景がこの先ずっと続く。ただ、咲き誇りといっても人工の花壇ではないから花が一面覆っているわけでもなし、改良種ではないから小さな花で、草むらに密やかに咲いているというのが正確な表現だ。しかしそれこそが愛(いと)おしく琴線に触れるゆえんだ。俯瞰写真を撮ると唯の草原ではないか、どこがお花畑だということになる。
画像

         元地灯台
画像

        お花を眺めながらトレッキング

桃岩
 尾根道に出ると時折ハイカーに出会う。大多数は桃岩方面からやってきて、元地灯台の見える尾根道で引返すようすだ。小さな起伏を幾たびかアップダウンして11:00名勝:桃岩展望台に着く。お天気に恵まれ、歩いている間何度か海を隔てて秀峰、利尻山を見ることができる。
 桃岩というのは巨大な一つの岩塊でその形が桃に似ているからこの名があるのだろう。見る方角によっては桃の実のように山頂がが少しとがっても見える。標高は250mで上の方は草でおおわれているが、下の絶壁部分はむきだしの岩肌である。桃岩自体は危険防止のためか登行禁止で、手前の展望台から少し上方を仰ぎ見る形となる。
画像

        草原の丘に続くトレッキング路
画像

        巨大な岩塊の桃岩

 展望台から少し降りたところのレンジャーハウス前で宿で作ってもらったおにぎりを頬張る。周囲にはトイレはあるがお店は1軒もない。  
 今日の計画は、この先の礼文林道沿いにあるレブンウスユキソウ(俗にエーデルワイス)群生地まで行く予定であったが、レンジャーの人の情報ではまだ咲いていないと聞きあきらめる。ただ、これまでの行程で1,2輪見つけることができたのでこれで良しとする。

桃台猫台
 レンジャーハウスからさらに下ったバスの通る道路まで出て、島の西海岸へ下る道路を約1時間ゆっくり歩き、桃台猫台という展望地に行く。観光バスで来た人はバスを降りて桃岩展望台まで10分程度登らなければならないが、桃台猫台はバスを降りてすぐだ。ここからは礼文島の岩礁地帯の海岸美と桃岩の荒々しい岩肌を見上げて楽しむことができる。中でも桃台猫台へ行く途中の道路から眺めた、魚のうろこのような無数の岩が丸いお皿状に張り付いている様は強く惹きつけられた。こんな岩肌はこれまで見たことがない。
 なお、澄海岬、スコトン岬、桃台猫台を巡る周遊観光バスがシーズン中、1日1~2便出ている。所要3~4時間。また、桃岩登山口を経て元地集落(桃台猫台へ多少近い)へ行く定期バスが1日3~5便出ている
画像

          桃台・猫台からの眺望(右海上の小岩が猫岩)
画像

          魚のうろこ状の桃岩の一部

 同じ道を引き返し峠となる桃岩への登り口からは、登山道を香深まで下る。谷あいの道でこのあたりは灌木が茂っていて、まれに花が咲いている。14:15香深港に帰り、稚内への船の出航までに時間があるので近くの郷土資料館を見物する。なかなか豊富な展示物があり興味深い。宿の主人が届けてくれたキャリーバッグを受け取り16:10発のフェリーで利尻島経由18:50稚内港へ帰着し、前前夜宿泊したサンホテルに投宿する。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック