お掃除ロボットを観察する

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お掃除ロボット ルンバ622型  上部の黒い曲線のハンドルを引き起こせば持ち運びのハンドルとなる

いま新聞を読みながら、使い始めて間もないお掃除ロボットの奇矯な行動をちらちら眺めている。
 ロボットは円盤状で回転運動をつづけながらゴミを吸い取る仕組みになっている。スタート場所から順番に清掃範囲を広げてゆけば良いものを、多少周囲のごみを吸い込むとツツツ・・・とあらぬ方向へ向かい(その間もごみ収集を続けながらであるが)、またそのあたりのごみを吸い取っている。と思いきやまた別の方向へ向かう。ここは清掃が終わったと思い座っているとまた足もとへ戻ってきて、あわてて立ち上がりロボットを避ける羽目となる。ロボットの行動は神出鬼没とも言え面白いが、何度も同じ場所を清掃するのには閉口する。やんちゃな道具ながら律儀で健気な働きぶりは微笑ましく、可愛ささへも覚えてくる。

 カタログによると40以上の行動パターンがロボットにインプットされているらしく、「部屋の状況に合わせて、自ら考え、最適な掃除動作を選択・実行」とある。「最適な掃除動作」なら、あっちへ飛び、こっちへ飛びと移動せずとも、端から順次清掃せよと言いたくなる。ともかく、いい加減にせよと言いたくなるくらい何度も何度も同じ場所に戻り清掃する。どうにも彼(ロボット)の心理が測りかねる。
 思うに部屋にテーブルや椅子の脚など障害物が多いと「最適な掃除動作」が狂ってくるのではなかろうか。
 それにロボットの円盤の下全面でゴミを吸い取っているわけではない。ロボットの直径は34cmであるが、円盤裏のごみをかきこみ、吸い取る開口部は16cm×5.5cmの長方形で、他にごみを掻き出す一辺6.5cmの3枚ブラシがあり、このブラシも絶えず回転してごみを集めている。収集忘れがあってはならじと何度も行き来するのだろう。
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ロボットの裏側  中央の長方形の開口部がごみのかきこみ、吸い込み口 その両横が車輪  開口部の下がダスト収容部  左上の3枚羽根がごみのかきだしブラシ(ブラシの先端は円盤から少しはみ出している)  円盤の上の方の小さな白い部分は前輪で、ロボットの進行方向となる

 同じ場所を行ったり来たりするなら清掃は完璧かと言うとそうでもない。よく見るとほこりのふわっとしたものが残っていたりもする。部屋や家具との角隅(コーナー)のほこりは掃除しきれないが、直線の壁際はちゃんと清掃できている。
 見た目にはきれいな床でも、ロボット掃除機をかけると、こんなにもあったのかと驚くほどのごみ、ほこりを集めておりふだんの掃除無精がよくわかる。要は完璧と思わず無精者の清掃手助けと割り切ることだ。
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        ごみを捨てるためダスト容器をロボットから取り外したところ

 4部屋と玄関仕切りの戸を開け放っておくと、5か所を自由に何度も出入りして清掃してくれる。2cm以内の部屋の段差は乗り越えるとカタログにあるが、我が家は1cm程度の段差で問題はない。玄関の上り框から玄関タタキに落ちることもない。ベッド上に置いて作動させてみたがベッドから落ちることもない。ロボットの段差センサーが働くらしい。
 ロボットの高さ9cm+1cmぐらいの高さと円盤の直径34cm+2cm以上の隙間があれば、ソファやテーブルの下などへもちょこまかと出入りする。部屋の壁や家具にぶっつかるとコツンと小さな音を立て方向転換する。ロボットの進行方向は前輪部分と決まっていて、そのあたりはクッションラバーがついて衝撃を和らげている。騒音は一般の掃除機並みか、やや小さい。

 今説明しているお掃除ロボットは、米国アイロボット社製のルンバ622型である。当地の電器量販店で実勢価格43千円(税込 平成27年8月現在)ぐらいで入手できる。
 最近の新聞のロボット掃除機の比較記事(日経27.8.31付)を見ると、これより高級機種が紹介されている。ルンバを含む3社5種の東京実勢価格は65~97千円となっている。パナソニックは円盤でなくおにぎり型三角で部屋の隅の掃除効率が良いらしい。価格を左右する大きな要素の一つにロボットに内蔵するバッテリー寿命がある。高級機は寿命6年をうたっている。使い方にもよるが6年たてばバッテリーを買い替えする必要がある。
 ちなみに、ルンバ622はバッテリー寿命3年である。安売りしていても型番とバッテリー寿命をよく確かめることである。

 次いで、お掃除ロボットの仕組みを眺めてみよう。ロボットは使用しないときはホームベース(充電器)の上にロボットの心臓部(前輪のあたり)が乗っかっている。ホームベースはACアダプターを通じて部屋のコンセントにつながり通電している。ホームベースは簡単に動かないように壁面に据え付けるようされているが、固定の必要はなくいつでも置き換え可能である。据え付けはさまざまな方向から見える場所が求められているが、コンセントの位置や部屋の使い勝手からそうもいかないし、筆者も見通しのきかない部屋の隅に置いている。神経質に考える必要はない。
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            ホームベース(充電器)とACアダプター
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ホームベースの上に乗っかって充電中のロボット 写真の上部が前輪の位置でロボットの心臓部である

 ロボットの走行は、ロボット裏の一つの前輪と二つの後輪でする。三輪自動車を思えばよい。前輪は小さく、360度方向を変えることができ、前輪の位置あたりでで障害物を探知し進行方向を決める。後輪は大きく、前輪の進行方向に従って動くだけだが、ロボットの重量を支えている。
 ロボットのスタートボタン又はリモコンのボタンを押すとホームベースから離れ清掃にかかる。清掃を途中で止めたいときはロボットのストップボタン又はリモコンボタンを押せばよい。清掃が終わると自動的にホームベースに戻る仕組みらしいが、ホームベースが見渡せないなど条件が悪いと戻りにくく清掃が終わった場所で止まってしまうこともあるらしい。筆者も4部屋通して掃除させ、ホームベースに自動的に戻るのを確認したが、何度も同じ場所を行き来するので、辛抱しきれず途中でストップボタンを押すことが多い。自動的に戻らない場合は人が3.7kgの重量をホームベースまで運ぶほかない。
 ある日、ロボットを部屋に泳がせたまま外出したところ、帰宅すると清掃を終えてちゃんとホームベースで充電中であった。思わずお利口お利口と声をかけてやりたくなる。

 ロボットの消費電力は33W、1回の清掃時間は最大60分、バッテリーの稼働可能時間は90~120分となっている。ロボットの電気代は1時間1円、一般掃除機の20分の1とカタログに書いてあるので訊ねると、ホームベースでの充電時間の電気代という。1回の充電時間は3時間で、充電中はオレンジランプが点滅し充電が終わると緑のランプに変わる。充電が終わってもホームベース上に置くことが求められているが、その通電中の電気代は、テレビを消しても赤いランプが付き待機電力を消費しているのと同じとの説明である。

 また、ロボットにはリモコンとオートバーチャルウオールが付属しており、リモコンは前述の操作のほか、人からの一方的な進行方向の指示や、1箇所にとどまっての清掃指示もできるようになっている。オートバーチャルウオールは、ロボットに入ってほしくない(壁を作りたい)場所の端に置くと、そこから赤外線を発して、ロボットの進入を妨げる器具である。説明書通りにはならないので、どの位置に置くのが良いか試行錯誤する必要がある。しかし、ロボットに入ってほしくなかったら、仕切りに家具など障害物を置けば済む話でもある。
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敷居の上部の黒い小さな器具(乾電池入り)がオートバーチャルウオールで、赤外線を発して写真上部へのロボットの進入を妨げる

お掃除ロボットを総括すると、とにかく丁寧すぎてわずかな面積の清掃に時間がかかりすぎる。それで完璧な清掃かと言うとそうでもない。清掃の精度を上げようとすると椅子や床上のもの(ゴミ箱、スリッパ、ラックなど)をどの道、人の手で移動させねばならない。しかし、時間がかかるのは自分の手を煩わすわけでもないし、電気代もカタログ通りならそう気にならない。意外とごみ収集能力も高い。そう考えるとお掃除の怠け者には便利な道具と言える。筆者も掃除回数が以前よりは増え、今のところ満足している。
 
 

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